新生アントラーズでキラリ輝く。荒木遼太郎は「ザーゴサッカーの申し子」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO


「高校生からプロになって一気に環境や周りのレベルが変わって、パスの質やスピード感も全然違うのでついていくのに必死な部分はありますけど、そのなかでも自分的にやれていると感じられるところがちょっとずつ増えてきています」

 プロ1年目の選手たちの多くが感じるであろう衝撃を受けつつも、荒木は今の自分にできることを見つめていた。

「ボールに絡んでから、周りの選手を使いながら自分を生かす。そういった部分はちょっとできているかなと思っています」

 目を奪われたのは、高卒ルーキーながら味方のプレーに合わせて動き回り、パスを引き出す能力とスペースを作り出す献身的な動きだった。それが見ていて心地よかったのだ。

 東福岡高校で研鑽を積んできた荒木は、U−16から育成年代の日本代表に選出されるなど、早くから着目されてきた選手ではある。

 だが、鹿島で同期加入となる松村優太が1月の高校サッカー選手権で静岡学園高校の中心として優勝を飾った一方、荒木は最後の大舞台に立つことができなかった。身長も170cm。決して身体的な特徴があるわけではない。自らも「どこにでもいるようなプレーヤーだと思っています」と話す。

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