関根貴大は生まれ変わった浦和の象徴。末っ子気質の青年が新リーダーへ (5ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


 湘南との開幕戦。2−2で迎えた85分、左サイドのマルティノスから送られたクロスをトラップした関根は、カットインして強引に中央へ切れ込み、左足でシュートを放った。やや当たり損ねたが、それでも渾身と形容したくなるような思いのこもったシュートは、相手GKの伸ばした手の先を通過し、ゴールネットを揺らした。

 シュートの勢いで倒れ込んだ関根はすぐに起き上がって右の拳を二度、天に向けて突き上げ、チームメイトの祝福を受けると、ゴール裏に向かって左胸のエンブレムを何度も叩いた。

 ドリブル突破からゴールセレブレーションまでの一連のアクションに、俺がこのチームを引っ張っていく、という強烈な意思を感じずにはいられなかった。

「開幕戦で見つけた今季期待のプレーヤー」というからには、東京五輪世代やこれまで出場経験の少ない選手を挙げるべきかもしれない。浦和でいえば、東京五輪代表でもポジションを掴みつつある20歳の橋岡大樹や、浦和加入2年目で開幕スタメンを射止めた24歳の汰木康也といったあたりだろう。

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