柏の「仕事人」ヒシャルジソン。必殺タックルがJ1を席巻する! (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 たとえば、昨季のヒシャルジソンが記録したタックルは145回で、これはJ2の年間タックル回数ではトップの数字。ボール奪取率も62.8パーセントを誇る。

 たしかに開幕4試合連続で警告を受けて第5節を出場停止になるなど、加入当初はJリーグの判定基準に適応するのに苦労した感は否めない。しかしながら、年間警告回数を11回に収め、1回も退場処分を受けなかったこともあり、彼のプレースタイルにダーティーなイメージはない。

 まさに、ミッドフィールドの管理人。担う仕事に派手さがないため、スポットライトを浴びる機会は多くないが、彼が不在となればチームの歯車が途端に狂ってしまうことは、来日初年度の昨季からJ2の舞台で証明された。指揮官に与えられたタスクを忠実にこなす姿も好印象で、その姿勢は、かつて柏の重鎮として君臨したレジェンドのひとりである明神智和を彷彿させる。

 1991年8月17日生まれ、ブラジル東北部にあるリオグランデ・ド・ノルテ州ナタール出身のヒシャルジソンは、現在28歳。柏に加入する前にプレーしていたセアラーを含め、ブラジルでは名門クラブでプレーしたことはなく、年代別代表の経験もない。そういう点では、柏のJ1復帰に大きく貢献した陰の功労者は、チームにとって"掘り出し物"だったと言っても過言ではないだろう。

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