清水エスパルス新指揮官が日本サッカーのあるべき姿を示す。好感度大 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 その両SBが両ウイング(金子翔太/右、西澤健太/左)と近い距離を保ちながら、サイドの高い位置に起点を作り、コンビネーションプレーを見せると、清水の優位はグッと鮮明になった。

 FC東京に同点ゴール(PK)が生まれたのは後半32分。そこから清水は息切れすることになったが、チャンスがなかったわけではない。追加点をものにすることができていれば、結果は違ったものになっていただろう。1-3は、清水にとってかなり惜しい敗戦だった。もし両者の戦力が同程度なら、あるいはもう少し接近していれば、FC東京は敗れていたと見る。

 清水の戦力は今季のJ1リーグにあって、上位には入らない。「降格候補」なのかもしれない。しかし監督の采配という物差しでは確実に上位にくる。

 まだ開幕週を終えた段階だが、ポステコグルーの参謀役という宣伝文句に偽りなし、と早くも言いたくなる。攻撃的サッカーと効率的サッカーが同義語のように見える、日本サッカーのあるべき道を提示しているようなこのクラモフスキーのサッカー。近い将来、花を咲かせる気がする。



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