清水エスパルス新指揮官が日本サッカーのあるべき姿を示す。好感度大 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 結果は1-3。Jリーグ開幕週に行なわれた9試合の中で、これは0-3でサンフレッチェ広島に敗れた鹿島アントラーズに次ぐ、2番目の大敗劇だった。まだ1試合だが、順位は17位。清水は、最後まで降格圏周辺をさまよった昨季を想起させる嫌な位置に、さっそく立たされることになった。

 しかし、サッカーの内容は悪くなかった。川崎戦よりさらに向上していた。清水がティーラシン・デーンダーのゴールで先制したのは後半2分。それ以前も、それ以降しばらくの間も、試合は清水のペースで進んだ。戦力で劣る清水という弱者が、FC東京という強者を相手に、スコアのみならず攻撃的サッカー度においても勝る姿は、痛快そのものだった。

 まず目に着いたのはSBの位置取りだ。奥井諒(右)と石毛秀樹(左)はそれぞれ、高い位置を取った。どちらのサッカーが攻撃的かであるかを推し量ろうとしたとき、ここはポイントになる。強者のSBがより高い位置を取れるのは当然だが、その反対だった場合=弱者のSBが高い位置を取った場合は、それが意図的であることが明白になる。ベンチからの指示に基づく行動だと考えるのが自然だ。

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