清水エスパルス新指揮官が日本サッカーのあるべき姿を示す。好感度大 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 清水は昨季、順位こそ12位ながら、リーグ最多の69失点を喫した、守備に大きな欠陥を抱えたチームとされていた。それでいながら、今季も初っ端から川崎に1-5と大敗した。スコアを見る限り、症状は少しも改善されていない状態にある。

 そのポステコグルー譲りの攻撃的サッカーでは、火に油を注ぐ結果にならないか。守備を固めてカウンター。そのほうがチームの実情に適しているのではないか。そうした懐疑的な声が湧いたところで不思議はない。Jリーグの開幕戦、FC東京戦はそれだけに注目された。

 優勝候補相手にも攻撃的サッカーで立ち向かおうとするクラモフスキー監督。だが、相手のFC東京も今季は攻撃的なスタイルに変身している。けっして高いとは言えない位置に守備のブロックを敷く堅守速攻型の4-4-2から、長谷川健太監督は今季、4-3-3へ脱皮を図っている。

 お互い攻撃的な両者が交わると、ピッチ上にはどんな化学反応が起きるか。心配されたのは当然のことながら清水の方だった。ボコボコにやられてしまうのではないか。川崎戦の大敗を思い出さずにはいられなかった。

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