清水エスパルス新指揮官が日本サッカーのあるべき姿を示す。好感度大 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 その1週間前に行なわれたルヴァンカップ初戦、清水は川崎フロンターレに対し、1-5で大敗していた。ドウグラスをヴィッセル神戸に引き抜かれ、能力の高い左SB、松原后もベルギーのシント・トロイデンに活躍の場を求めて去っていった。さらに、中盤の外国人選手、ヘナト・アウグストもケガで戦線離脱中であることを考えると、今季が苦しい戦いになりそうなことは見えていた。

 だが、1-5という結果はともかく、内容はよかった。選手個々の個人能力で勝る川崎に対して、内容で勝っていた時間さえあったほどだ。昨季とはサッカーの内容がガラリと一変。なにより見映えがよくなっていた。ボール支配率が上昇。パスの選択肢も増えていた。大敗の中にも好印象を抱かせたものだ。ポステコグルーのサッカーに抱いたものと、それはまさに同種の感情だった。指揮官の能力のほどが伺えた。

 1-5の大敗を受けて臨んだ試合後の会見でも、慌てた様子はなかった。クラモフスキーは1978年生まれの41歳。オーストラリアU-17の監督経験はあるが、クラブ監督の座に就いたのはこれが初だ。

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