山口蛍は不満なシーズンを経て、今季は「賢く」戦う必要性も説く (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 チームの先頭に立って、チームをけん引するひとりとして、山口自身は「チームに力を与えるプレー」を心がける。チームが苦境に立たされた時、あるいは、苦しい展開に持ち込まれた時に、何ができるか、どんな変化を与えられるか、を自身に問いかけながら。

「リーグ戦での結果を求めるには、勝つことは常に目指しながら、でも負けないことも大事だし、点を取ることは目指すけど、失点しないことも大事というバランスを、常に試合の中で考えなければいけない。そのためには、中盤を預かるひとりとして、チームを落ち着かせるとか、緩急をつける役割を担わなければいけないと思っています。

 もっとも、サッカーはチームで戦うもので、誰かひとりで変えられること、できることは何もありません。でも、一人ひとりが"チームに力を与えるプレー"を意識して戦い、その力がしっかりと結びつけば、チームは間違いなく強くなる。だからこそ、どんな時も、常にチームに力を与えるプレーを意識して、ピッチに立ちたいと思います」

 今年最初のタイトルマッチとなった富士ゼロックススーパーカップ。後半の69分に挙げた、この日3度目のリードを奪うゴールも、また、PK戦で7人目のキッカーに立ち、勝利を決定づけた一撃も、まさにその言葉を裏づけるパフォーマンスだった。

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