レイソルに再びただならぬ気配。
2度目の奇跡をもたらすキーマンは?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 このケニア代表FWの魅力は、パワーとスピード。身長193cm、体重85kgという体格を生かし、マークにつくDFを軽々と跳ね飛ばしてボールをキープできるばかりか、大柄でありながら、DFラインの背後に抜け出す速さも備える。奪ったボールを素早く前線に預けたい柏にとっては、最適なFWだ。

 技術的にやや粗さがあるのは気になるところだが、J1の舞台でオルンガの爆発力が覚醒するようなら、柏はもはやダークホースではいられなくなるだろう。一昨季の途中に加入したオルンガは、試合を重ねるごとにチームにフィットしてきており、まだまだ実力は底が見えていない。それだけに、期待は高まる。

 オルンガは今季の公式戦2試合で、早くも2戦連発の3ゴールを記録。それでも、浮かれた様子を見せることなく、「長いリーグが終わった時に、自分がどれだけできたかが重要」と言い、決意の言葉を口にする。

「J1はレベルが高いリーグであり、J2よりも優れた相手と戦わなければならない。そのためには、自分もプレーのレベルを上げていかないといけない。ゴールできたことはうれしいが、個人よりもチームが優先。自分はチームファーストのなかでベストを尽くす。いいスタートが切れたが、個人のゴール数はそんなに重要ではない」

 継続の強さと、オルンガのプラスアルファ。偉業を再現するためのカギである。

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