レイソルに再びただならぬ気配。2度目の奇跡をもたらすキーマンは? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 しかしながら、J1昇格即優勝を果たした9年前との比較で言えば、前年のJ2での戦いぶりを見る限り、今季の柏にそこまでの強さは感じられない。

 堅守をベースにしつつも、MFレアンドロ・ドミンゲスを中心に流れるような攻撃で得点を量産していた2010年当時の柏は、明らかにJ2レベルを超えていた。今すぐJ1に入っても、上位争いができる――J2での試合を見ながら、そんなことを思ったものだ。

 それに比べると、現在の柏は、戦いぶりが不安定で、やや大味な印象を受ける。実際、J2優勝時の成績を見ても、2010年が23勝2敗11分けの勝ち点80だったのに対し、昨季は25勝8敗9分けの勝ち点84。試合数が異なるため、1試合あたりの勝ち点で比較すると、2010年が2.22、昨季が2.00と、1割ほど勝ち点を減らしている。同じ優勝でも、昨季のそれは、2010年の時ほど他を圧倒した感はなかった。

 言い換えれば、9年前の再現、あるいはそれに近い結果を残すためには、昨季からのベースを生かすのはもちろんのこと、そのうえで相応のプラスアルファが必要になるだろう。

 では、9年前を再現すべく、プラスアルファとなりうる要素は何か。その可能性を秘めるのが、背番号14のストライカー、オルンガだ。

J1開幕戦で2ゴールを決めたオルンガJ1開幕戦で2ゴールを決めたオルンガ

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