古橋亨梧「プロ入りを諦める」から飛躍。ビジャから盗んだプレーを生かす (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by SportsPressJP/AFLO

「去年、初めて1年を通してヴィッセルの一員として戦って、本当にいろんな経験をさせてもらい、すごく楽しかった。すばらしい選手に囲まれてサッカーができる毎日が楽しくて、練習するのが楽しくて、試合の日が来るのが楽しみでした。勝てない時期や2度の監督交代もありましたけど、それをみんなで乗り越えられたのは、自信になった。

 その自信を、本当の意味で自分のものにするために、あの決勝はピッチで戦いたいと思いました。情けないことに、プレーはイマイチでしたけど(苦笑)。その分は、今シーズンの戦いでしっかり晴らしていきたい。その覚悟をしっかりと持つことができた元日でした」

 昨シーズンの戦いにおいて、何よりも刺激になったのは、FWダビド・ビジャの存在だ。昨年限りでユニフォームを脱いだサッカー界のレジェンドは、古橋に多くの刺激を与え、成長を促した。

「世界的にも名の知れたダビドのプレーを間近で見るチャンスをもらえたことで、自分に置き換えていろんなことを考えました。ゴール前でのアイデア、動き出し、少しの隙さえ見逃さずに結果につなげる嗅覚。彼のプレーから盗んだことは数え切れないほどたくさんあります。

 今年も、それを意識しながらプレーすれば、自ずと点は取れると思うので、とにかくゴールに向かって走り、ゴールに向かってドリブルして、ゴールに向かって仕掛け続けたい。

 この神戸に来て、すばらしい選手に囲まれて毎日練習をすることで、自分としては、技術的にも成長できたと思っているし、メンタル的にも伸びた気もする。ただ、僕が決めていたら勝てていた試合、引き分けに持ち込めた試合は、去年も何試合もあったので、今年はそういうところで確実に決められる選手にならなくちゃいけないと思っています」

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