イニエスタが描く「戦いにくいチーム」。J1優勝へ神戸に何が必要か (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 また、チームとしては、ACLとJ1リーグでは大会のレギュレーションが違うことも理解しなければいけません。J1の場合は、たとえある試合でミスを犯して敗戦を喫したとしても、年間を通した戦いなので、巻き返すチャンスは十分にあります。でも、ACLはまずグループリーグの6試合で結果を求めなければ、次のステージには進むことができません。

 それだけに、よりミスに対しては、慎重に考えるべきだと思います。とくに相手チームには、オフェンス面でクオリティの高い選手がそろっていると考えても、安定した守備を意識して戦うことは、より重要になります。そこさえ安定すれば、我々のオフェンス陣にはクオリティのある選手がそろっていますし、彼らを生かせるシーンも増えるはずです。

 僕自身も、守備に対する意識をしっかりと備えたうえで、最終的には"ゴール"に結びつく攻撃を考えたいと思っています」

 一方、J1はどうだろう。シーズン途中に加入した2018年は10位、昨年は8位と、残留争いにも巻き込まれた経験を踏まえ、このリーグを戦う難しさ、そして"タイトル"の可能性をどのように感じて、3シーズン目に臨むのか。

「昨年、初めて1シーズンを通してJ1を戦って感じたのは、どのクラブも力が均等で、すごく競争力が高いリーグだということです。J1では似たような確率で、首位のチームに勝つ可能性もあれば、最下位のチームに負けることもあります。毎節、どのカードも僅差の、拮抗した戦いが繰り広げられ、順位も目まぐるしく変わります。

 そう考えても、このリーグでより目立った結果を残していくには、相手にとって"勝ちにくいチーム""戦いにくいチーム"になる必要があると感じています。

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