ガンバ大阪、9年ぶりの開幕戦勝利。
マリノス対策のポイントは3つ

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 マリノス戦でガンバの動きがよかったのは、キャンプから倉田が「きつい」ともらしていたハードな練習がベースにあったからだ。この豊富な運動量があってこそのハイプレスであり、それが見事にハマった。GKからビルドアップするマリノスだが、この日のセンターバックのひとりは、畠中慎之介ではなく伊藤槙人だった。伊藤は畠中よりはビルドアップにやや難があり、ガンバはGKと伊藤のラインを狙っていた。

 前半6分にそこにプレッシャーをかけてボールを奪い、倉田が先制ゴールを決めるのだが、それは倉田曰く「してやったり」だったという。

「前から相手をハメていくと、相手が慌てる場面があった。1点目の得点シーンもそうして生まれたし、練習でやってきたことがハマった」

 3つ目は、東口順昭からの相手の背後を突いたロングボールだ。

 マリノスは最終ラインを高い位置に上げる。そのため、背後に大きなスペースがあるが、ガンバは序盤からそこを狙いつづけ、倉田や宇佐美貴史らスピードのある選手がボールを受けてゴールに迫った。三浦弦太は「相手がロングボールを嫌がっていた」と見ていたが、それを愚直に続けたことが追加点につながった。

 34分、東口のロングボールに対して、倉田は蹴ってから出ても抜けると思ったという。タイミングとしてはワンテンポ遅れて飛び出したためオフサイドにはならず、フリーで持ちあがって矢島慎也のゴールをアシストした。

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