識者5人が「J1全順位」を予想。優勝に最も近いクラブはどこ? (5ページ目)

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 そういう意味では、ふたつの点がカギになるのではないか。

 ひとつは、チームを束ね、決断する指揮官の力量である。セレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督、FC東京の長谷川健太監督は、戦いの土台を作る能力に優れ、麾下(きか)選手に迷いがなく、ボスの風格が見える。

 また、大分トリニータの片野坂知宏監督、サガン鳥栖の金明輝監督というふたりの指揮官も注目。トレーニングでポジション的優位を高め、選手が力を出し切れる状況を作り出せるし、相手を研究し、勝機を見出せる。

 もうひとつのカギは、チームとしてのプレースタイルの定着度。鹿島アントラーズ、川崎フロンターレは、チームとして伝統的に"かくあるべき"という戦い方が根づいている。立ち戻るべき形があるだけに、大崩れはない。スカウティングも、チームスタイルから逆算して行なわれているだけに、本質的な強みがあるのだ。

 そのふたつを兼ね合わせているのが、横浜FMか。3年目のアンジェ・ポステコグルー監督は、エキセントリックな攻撃サッカーでスタートし、当初はノッキングすることもあった。

 しかし、昨シーズンは相手のプレーも分析しつつ、自分たちのよさを出す戦い方にシフト、着地点を見つけた。守りに強いチームの伝統を革新。DFチアゴ・マルチンスは、まさに戦術の体現者と言える。

 新シーズンは、戦術を回す役としてMF水沼宏太も獲得し、選手層も厚くなった。

 最後に、Jリーグ最大の見どころは、神戸のMFアンドレス・イニエスタかもしれない。イニエスタが見せるプレーは、ひらめきや驚きにあふれ、別格。日本で彼を見られるのは、幸福の至りである。

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