「イニエスタとのタイミングが合ってきた」。選手が語る神戸の変化 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

「これだけの選手がいるチームなので、ボールは自然に回るんですよ」

 渡部は言う。

「アンドレスはもちろんすごいですけど、トーマス(・フェルマーレン)も、イメージが伝わるプレーをしますね。パスひとつとっても、日本ではあまり経験したことのない速さです。しっかり止められたら、次のプレーで余裕が出る。正しい状況判断というのを、彼らとプレーすることで学べている。今の神戸は相手を走らせて、主導権を握れるようになってきています」

 神戸はイニエスタ、フェルマーレンという世界標準の選手がいることで、ほかの選手が正しいプレーに確信を抱きつつある。酒井、山口蛍はベストプレーを取り戻し、古橋亨梧は攻撃感覚を研ぎ澄ませている。また、GK飯倉大樹のプレーも、横浜F・マリノス時代よりも洗練されている。各選手に影響が伝播しつつあるのだ。

「アジアナンバー1が目標なので、さらに気持ちを引き締めて戦いたいです」

 ジョホール戦でハットトリックを記録した小川はそう言って、勝って兜の緒を締めていた。2月19日のACL第2節。神戸は韓国の強豪、水原三星の本拠地に乗り込む。

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