阿部勇樹、恩師を語る「オシムさんが
いなかったら、今の僕はいなかった」

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 練習中、オシムさんからいろいろな指示が出るんですけど、それをそのままやっているだけだと、笛を吹かれて怒られる。選手は『言われたとおりにやったのに......』と思うけど、言われたことをそのままやることを、オシムさんは望んでいない。『自分で考えてプレーしろ』って、いつも言っていましたからね。

 とにかく、ルーティンのような同じ練習がひとつもなくて、ほんと、充実して、楽しかった」

 チームは、オシムのトレーニングによって力をつけ、結果を出していった。ファーストステージでは、最終戦まで優勝争いを演じて、3位になった。

 阿部は、オシムと出会ってわずか半年で、チームの変化と自らの成長を感じ取っていた。

(つづく)

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る