イニエスタは「ピッチの創造主」。
同僚はあらためてすごさを思い知る

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

「イニエスタが、才能を最大限に出せる戦い方を選んでいる」

 そう言ってフィンク監督は、戦い方を丁寧に説明した。

「前の試合(PK戦の末に勝利したゼロックススーパーカップ)もイニエスタは90分間、出場していた。少しでも(体力的な)負担を減らしたかった。ただ、この夜のシステムで固めるつもりはない。相手が強い場合は、5バックに戻す可能性も十分にあるだろう」

 イニエスタは、ジョホール戦も後半43分まで出場した。守備の負担を軽減されていたとはいえ、コンディションは悪くないのだろう。所属していたバルサのような常勝クラブでは、常に週2の試合をこなしていたが、勝つことでリズムができ、疲労も少なくなる。それは王者の習慣だ。

「あらためて、イニエスタのすごさを思い知らされた」

 神戸のチームメイトは口をそろえている。

 ACL初陣で勝利を飾った神戸。もしイニエスタさえ万全なら――。"アジア制覇"に向け、少なくとも対等には戦えるはずだ。

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