シマオ・マテが語る日本人の可能性。「自分の能力を信じたほうがいい」 (3ページ目)

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「すいぶん慣れたけど、今も毎日、日本と仙台のことを理解しようとしているよ。僕がよりこの国を知るようになれば、日々はもっと楽しくなるはずだし、ピッチ上でもっと活躍できるようになると信じているからね」

シマオ・マテは日本人選手たちに「もっと自分を信じて恐れずに進んでほしい」と語るシマオ・マテは日本人選手たちに「もっと自分を信じて恐れずに進んでほしい」と語る これまでの経験から、シマオはそう確信を持って言う。そして、逆に日本から海外へ渡って挑戦する選手たちにも、次のようなアドバイスを送る。

「ここ数年、日本からヨーロッパのクラブへ移籍する選手が増えているよね。その多くは、若手選手たちだ。彼らは非常に高い能力を備えているので、それを発揮できれば、大抵のリーグで重宝されることになると思う。ただし、そのためには、異なる文化や生活、メンタリティーに順応しなければならない。いくら良質のクオリティーを備えた選手でも、そこがうまくいかなければ、成功はできないだろう。

 それから、これは日本人選手全般に言えるけど、もっと自分の能力を信じたほうがいい。自信を持てないと、プロでは成功できない。僕が思うに、日本人はプロ選手でも、周囲のことを気にしすぎてしまうところがある。でもこの世界では、何かを待っているようではダメなんだ。自分で決めて、自分で行動し、自分の意志を貫いていく。サッカーはボールの奪い合いであるだけでなく、チャンスの奪い合いでもあるのだから。自分のやっていることに集中して、自分と仲間を信じ、恐れるずに突き進んでいく。これが大事だと僕は思うな」

(おわり)

シマオ・マテ
Simao Mate/1988年6月23日生まれ。モザンビーク・マプト出身。ベガルタ仙台所属のMF&DF。19歳の時にギリシャのパナシナイコスでキャリアをスタートさせ、ヨーロッパとアジアで活躍。2019年シーズンから仙台でプレーしている。パナシナイコス(ギリシャ)→山東魯能(中国)→レバンテ(スペイン)→アル・アハリ(カタール)

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る