浦和レッズ・杉本健勇が爆発の予感。システム変更と心身変化で復活する (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Behrouz MEHRI/AFP

 セレッソ時代に躍動していた姿を思い出すと、清武弘嗣ら杉本のプレーを理解してくれる選手が周囲にいた。それが大きかったこともあるが、それ以上に、杉本がゴールを取ることに執着し、いい意味でわがままにプレーしていた。

 しかし浦和では、そんな自分らしいプレーを発揮できなかった。それが、不本意なシーズンに終わってしまった最大の要因だが、さすがに今季は、昨季と同様の結果に終わるわけにはいかない。

「もう危機感しかないですよ」

 そう語る杉本は、こう続けた。

「セレッソ以外のチームで、2年目を迎えるのは初めてだし、(チームに)慣れてきた部分もある。(だから今季は)周囲に合わせるより、自分(のプレー)に合わせてもらうぐらいの気持ちで、やっていいかなって思っています」

 幸い、杉本には追い風が吹いている。

 冒頭で触れたように、浦和は今季、4バックを採用し、4-4-2、あるいは4-2-3-1システムで戦っていくことになりそうだ。杉本にとっては、セレッソ時代の馴染みあるシステムで、2トップとなれば、出番はもちろん、得点チャンスも増すはずだ。実際、杉本自身も新システムには「やりやすいですよ」と手応えを感じている。

 今季の巻き返しに向けて、杉本は心身への刺激も図っている。このオフには、格闘家の秋山成勲と一緒にトレーニングを行なった。そこで得たモノも多かったようだ。

「秋山さん、今44歳なんですけど、フィジカルとかのトレーニングが、マジでエグい。あの年齢で、あれだけやれているんで、僕も負けられないと思ったし、すごく刺激を受けました」

 また、フィジカル強化にも力を入れて、体重を増やすことも考えているという。

「今、体重は78kgぐらいなんですけど、82kgぐらいまでウエイトを上げていきたいですね。その体重で動けるようになれば、いいかなって思っています」

 求めるものは、ゴール前の競り合いに負けず、敵DFに寄せられてもしっかりとフィニッシュまで持っていけるフィジカルだ。本来持っている高さに加え、相手の当たりにも負けない力強いボディを手にいれれば、確実にゴール数は増えるだろう。

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