清水エスパルス新監督が明かす、
Jリーグで成功する秘訣

  • 井川洋一●取材・構成 text by Igawa Yoichi
  • 小倉直樹●撮影 photo by Ogura Naoki

清水エスパルス ピーター・クラモフスキー新監督インタビュー(1)
(※インタビューは就任発表直前に行なわれたものです)

 ダイナミックなアタッキングフットボールで2019年シーズンのJ1を制した横浜F・マリノス。アンジェ・ポステコグルー監督の信念が成就したわけだが、じつはチームのトレーニングの大半は、ヘッドコーチのピーター・クラモフスキーが担当していた。

 昨年12月14日、このクラモフスキー氏が新シーズンから清水エスパルスの監督に就任することが発表されたが、その数日前に独占インタビューに応じてくれていた。オーストラリア人指揮官に、横浜での日々や自身の哲学、日本の印象などを訊いた。

ピーター・クラモフスキー氏をインタビューピーター・クラモフスキー氏をインタビュー──横浜F・マリノスの優勝、おめでとうございます。2019年シーズンを振り返ってもらえますか?

「最高だよ。リーグ王者になってシーズンを振り返ることができるなんて、すばらしい気分だ。ハードワークを続けた選手やスタッフ、関係者全員にふさわしい優勝だ。声援を送り続けてくれたサポーターにも感謝している。

 マリノスのスタイルは攻撃的で、人々もその攻撃性に注目しがちだが、私は守備面の成長も大きかったと思う。シーズンが進むにつれて、どんどんよくなっていった。我々にはボールを持っている時と、持っていない時のコンセプトとメソッドがある。獰猛なハイプレスは日を追うごとに完成されていった」

──ポステコグルー監督とあなたは常々、成功の秘訣はない、と言います。そこにはあるのは、ハードワークとチームスピリットだけだと。しかし、ほかの多くのチームも成功のためにそうした努力をしています。違いを生んだのは、何だったのでしょうか。

「たしかに、僕は君とこのトピックに関して、何度も話したね。そして、いつもそう答えていた。でも本当に、毎日、意欲と集中力を持って、努力を積み重ねてきただけなんだ。ほかのチームのことはわからないけれど、我々は日々、自分たちの信じることを貫いてきた。あえて言うなら、決して曲げない信念。それは、重要な局面を迎えた時に拠りどころとなる」

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