2020.01.04

青森山田が自慢の「飛び道具」で圧勝。
選手権連覇へ揺るぎない強さ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 しかし、そのセットプレーから逆に4点も奪われたのでは、勝負にならなかった。大塚監督が振り返る。

「(相手FKやCKの)ボールの質もよかったのかなとは思うが、(選手それぞれの)役割を決めていたが、それがはっきりせず、(相手選手が)フリーになることが多かった。(マークに)ついていったり、競ったりすることができなかった」

 とはいえ、青森山田のセットプレーが、高校生レベルとしては飛び抜けた高水準にあったのも事実だろう。大塚監督は、「警戒していたのに、やられたのは反省している点」と口にしていたが、とくにCKから生まれた3、4点目は、わかっていても止めようがない。そんなふうにすら見えた。

 一発勝負のトーナメント方式で行なわれる選手権は、何が起こるかわからない。どんなに強いチームでも、徹底して守備を固める相手を崩せず、ついにはPK戦で敗退することもありうる。

 だからこそ、セットプレーという武器を持つことの意味は大きい。そんなことをあらためて思い知らされる試合だった。

 まずスローインでは、ペナルティーエリア内まで投げ入れることができるDF内田陽介。そしてCKやFKでは、左足のMF武田英寿、右足のMF古宿理久。青森山田はシチュエーションごとに、高精度のボールを供給できる選手を備えている。

 加えて、青森山田の選手たちは、フィールドプレイヤー10人のうち、身長178cm以上が6人と、高校生レベルとしてはかなり体格に恵まれており、ゴール前での競り合いにおいて、高さと強さの両面で圧倒的な優位性を見せる。

 こんな選手が居並ぶゴール前で、しかも、GKの手が届かない位置へ正確なボールが送られてしまえば、相手チームは手も足も出ない。

 古宿のFKに頭で合わせ、試合の行方を決定づける2点目を決めたFW田中翔太は、「セットプレーの練習にかけている時間は、ほかのチームより絶対に多い」と誇らしげに語り、こう続ける。

「練習でやってきたことを出せれば、ゴールになる自信はある。ヒデ(武田)とリク(古宿)はすごくキックの質が高いので、あとは(ゴール前の選手が)決められた場所へ入ればいい。(セットプレーからの)4得点は全部形が違うが、決められてよかった」