進化する全日本少年サッカー。できるチームに怒鳴るコーチはいない (4ページ目)

  • 木之下潤●取材・文 text by Kinoshita Jun
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 この声かけについては地域性、また選手との関係性によって表現の仕方はいろいろあるが、確実に言えるのはチームそれぞれに共通言語があり、戦術に則ったうえで選手とコーチとの間に意思や意図を通じ合わせるチームが増えている。これは練習で技術に特化したトレーニングに終始するのではなく、日頃から戦術的な要素が伴ったトレーニングも行なっていないとチーム内で存在しえないコミュニケーションだ。

 今大会は1991年の蒲町SSS以来、28年ぶりに宮城県代表のベガルタ仙台ジュニア(以下、仙台)がベスト4に勝ち進んだ。これは東北全体としてもポジティブなニュースである。しかも仙台は大会屈指の好チームであり、とくに2枚のセンターバックの質の高さは抜きん出ていた。

 日本のジュニア世代のレベルは着実に上がっている。この流れを加速させるためにも、ジュニアユース(中学生世代)のコーチにこのバトンをしっかり受け取ってもらい、この大会を経験した優秀なタレントがさらに成長するための質の高い指導を期待したい。

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