今年の高校サッカー選手権は名門校復権が濃厚。優勝争い筆頭は? (2ページ目)

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • photo by Matsuo Yuki

 15年度の選手権は、プレミアリーグWESTに所属する東福岡が17年ぶりに制覇。翌年も同EASTに籍を置く青森山田(青森県)が大会を初制覇し、昨年度も埼玉スタジアムでカップを掲げた。

 再び、強豪校が制する流れとなった高校サッカー。その点を踏まえ、12月30日に開幕する今年の大会を展望していくと、やはりプレミアリーグに籍を置くチームが主役を担う可能性が高い。決勝までの組み合わせを考慮したうえで、優勝候補の筆頭は青森山田と市立船橋になる。

 今季の青森山田も、例年と同じく勝負強いチームに仕上がった。昨冬の優勝をピッチで経験した選手は、 MF武田英寿(3年/浦和入団内定・U-18日本代表)とDF藤原優大(2年・U-17日本代表)しかいないが、チーム全体は1年を通じてプレミアリーグを経験して大きく成長した。その筆頭が、中盤の底で攻守を支える古宿理久(3年/横浜FC入団内定)だ。今季に入ってからレギュラーの座を掴み、球際の激しい守備や正確なパスでチームを牽引する存在へと成長を遂げた。

 また、伝統の堅守やセットプレーの強さは今年も健在。サブメンバーにも流れを変える切り札を多数用意しており、今年も強さに揺るぎはない。12月15日、プレミアリーグWESTとEASTの王者が日本一を懸けて戦うプレミアリーグファイナルでも、名古屋グランパスU-18を下し、高体連では史上初となる2度目の戴冠となった。

 ただ、懸念材料もある。それが組み合わせだ。青森山田が入ったブロックを見ると、名だたる実力校がずらり。抽選会では他校の監督から、「包囲網だね」「ベスト8まで毎試合準決勝(レベル)以上の相手」といった声も聞こえてきたほどだ。

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