差がついたヴェルディとF・マリノス。永井秀樹は「本当悔しいよね」 (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

――本当の意味でヴェルディを再建していくには、単にJ1に昇格することだけを考えていても駄目ですね。

 本音を言えば、本当の意味で再建していくには時間が必要。でも、今置かれている立場で、そこまで猶予はないこともわかっている。いわゆる縦軸と横軸の話だよね。

「サッカーの質を高めていく」という縦軸と、「目先の勝利」という横軸の関係性を常に意識する必要がある。縦軸と横軸がぴしっとバランスが取れた時、本当のヴェルディ再建と言える。まずは、チームの目指すスタイル、方向性を決めるのが監督の仕事。そこをきちんと示したうえで、縦軸があって横軸があることを伝えることが大切だと思う。

―― 2019シーズンは藤本寛也、森田晃樹、山本理仁といったユース時代の教え子がトップチームでも中心選手として活躍しました。途中からは藤田譲瑠チマという、ユースでも最初は控えだった選手が2種登録でトップチームデビューし、年代別代表でも活躍を見せました。

 来シーズンからは、馬場晴也、松橋優安、石浦大雅、藤田譲瑠チマの計4名のトップチーム昇格が決まっている。ユース監督時代から数えて、およそ3年間でこれだけ多くの選手がトップチームに昇格できたことはものすごくうれしい。

 ただしここから先は、彼ら自身でポジションを奪い取らなければならない。そして自分たちの力で、ヴェルディを本来いるべき場所、J1に戻す力になってほしい。そのなかで、まだ足りないピースは経験ある選手、目指すヴェエルディのサッカーを理解してくれる選手にやってもらうしかない。

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