2019.12.10

横浜F・マリノスの陰のMVP。
攻撃サッカーはこのCBあってこそだ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 仲川とともに得点王に輝いたマルコス・ジュニオール、夏場からチームに加わったCF エリキ、左ウイングのマテウス。そして前半戦16試合の出場で11ゴールを奪い、チームがシーズン開幕当初から好位置をキープする原動力となったエジガル・ジュニオの存在も見逃すことはできない。アタッカーとしてチームを牽引したのは仲川だけではない。

 外国人の活躍についての言及は、とかく疎かになりがちだ。日本のサッカー報道が代表チームに寄りすぎる傾向があるからだ。今回発表されたベスト11にしても、外国人選手は4人だけ。個人的には7、8人選ばれてもおかしくないと思っている。

 そのベスト11に、横浜FM(4人)とFC東京(6人)以外から選ばれた選手はアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)だけ。その内訳は優勝争いに絡んだチームの選手に大きく偏っていることがわかる。チームとしての成績はともかく、個人として活躍した選手、とりわけ外国人の実力派は蚊帳の外に置かれている。

 活躍した選手とは? 

 解釈には様々な視点があるはずだ。最優秀選手賞しかり。何をもって最優秀とするのか。優勝した横浜FMで最も活躍が「目立った」選手はと言えば、仲川になるのかもしれない。横浜FMの攻撃的サッカーを支えた元気者を支持する人が多くを占めるのは自然なことだ。しかし、喜田のところでも触れたように、攻撃的サッカーはアタッカーだけで成立するものではない。

 優勝を懸けて争った最終節のFC東京戦。横浜FMの戦いぶりで最も目を引いたのは、GK朴一圭(パク・イルギュ)が退場になり、10人となった後のその最終ラインだった。一般的なチームであれば、その最終ラインは通常より低めに設定する。GKが朴(この選手もベスト11級だ)からJ1での経験が浅い中林洋次に交代し、またこれ以上、得点を必要としない状況にあるとなればなおさらである。

 しかし、アンジェ・ポステコグルー率いる横浜FMはそうしなかった。思い切り高い位置を維持しようとした。11人で戦っていた時以上と言いたくなるぐらいだ。もちろん、FC東京との比較でも上回っていた。