横浜F・マリノス躍進の要因を分析すると川崎が優勝を逃した理由もわかる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 3連覇を狙った川崎は、得点力アップを狙って獲得したレアンドロ・ダミアンがチームの戦い方と合わず、先発はここまで10試合。交代を含めても22試合にとどまっている。エスパルスに放出したエウシーニョの代わりに獲得した右SBマギーニョは、それ以上に出場時間が短かった。

 そのことはシーズン前半に判明していた。その後、手を打つ時間があったにもかかわらず、手を打たなかったことが、横浜FMとの差に直結したといってもいいだろう。

 外国人枠をうまく活用できなかったFC東京が最後まで粘れた理由は、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場していなかったことと、エースのディエゴ・オリヴェイラがシーズンを通して大車輪の活躍を見せたことにある。ACLに出場する来季は、スタメンを張れる、助っ人と呼ぶに相応しい外国人をもう何人か獲得できないと、苦戦するかもしれない。

 外国人選手の活躍は、代表志向の強い日本にあって大きな話題になりにくい。アンドレス・イニエスタ(神戸)など、ネームバリューの高いごく一部の選手を除けば、軽視されがちだ。だが、サッカーのレベルアップ、サッカーそのものの娯楽度を追求すれば、不可欠な存在となる。来季は良質な外国人選手がより多く、Jリーグにやってくることを期待したい。

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