仲川輝人のゴラッソが証明する、日本代表「超」級のスピードと技術 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

 この3点目は滅多にお目にかかれないスーパーゴールと言えた。日本代表級。日本代表超級とさえ言いたくなる。しかし、彼に日本代表歴はない。国内組が多く選ばれた、来たるベネズエラ戦(11月19日)のメンバーにも名を連ねていない。相手の札幌からCBの進藤亮佑が初選出されたのとは対照的だ。

 さらに、17日に行なわれるU‐22コロンビア代表との親善マッチには、この日、仲川と対峙した菅が招集されている。U-22日本代表は、これまでの例に従えば、札幌同様3-4-2-1で臨む可能性が高い。コロンビアがもし横浜FM式で向かってきたら、左WBとして出場した場合の菅、及び日本は苦戦するのではないか。仲川の活躍は、皮肉にもそうした推理までさせてしまうのだった。

 その落選の理由は、メンバー発表とケガで休んでいる時期とが重なったこともあるのかもしれないが、もう少し早くから代表に選ばれているべき選手だった。

 右利きの右ウイングといえば、現代表では伊東純也(ゲンク)になる。こちらの武器もスピードだ。タイプは似ている。

 パッと見、サンティ・カソルラ(ビジャレアル)を彷彿とさせる、おっさん的雰囲気を漂わせる。仲川は、まさにカソルラのような低重心で巧緻性にも優れた小兵ならではの魅力で、伊東に勝る可能性がある。身体の大きな外国人が嫌がるのは、仲川のほうではないか。

 森保一監督も、国内組中心で臨むとされている12月のE‐1選手権(釜山)のメンバーには、さすがに選ばざるを得ないだろう。いま一番気になるJリーガーである。



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