2019.11.12

マンガのようにパスがつながる。
永井秀樹とヴェルディの理想が現実に

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 試合が動いたのは25分。右の澤井から短いパスを受けた、リベロの梶川がワンタッチでクロスを上げると、ファーサイドの小池純輝がダイレクトでボレーシュートを決めて先制した。

「『ポストゾーンの所をストライカーが狙う』という攻撃パターンは、日ごろからチーム全体で取り組んでいます。ボールを出してくれたのは、プライベートでも一緒にいることの多いカジ(梶川)でしたが、彼とはサッカーでも、お互い目が合わなくても分かり合える。それが形になってよかったです」(小池)

 その後もヴェルディは休むことなく攻め続け、ゲームを支配した。41分には、またも小池が、クレビーニョからのパスを受けて2点目を奪った。3分後の44分にもクレビーニョが起点となり、フリーマンの森田にスルーパスを通して3点目を奪い、リードをさらに広げた。

 後半1点を返されるも、この日のヴェルディは勢いが止まらなかった。58分、梶川が前線に出したパスをパライバが受けると一気にカウンター攻撃。クレビーニョ と数的優位を作り駆け上がると、最後は森田が冷静に決めた。

 ヴェルディは4-1と大きくリードを広げたが、クライマックスはこのあとだった。

 69分、クレビーニョから始まり、澤井、梶川とつながれたボールは、中央にいた近藤直也へと預けられた。近藤は井上に縦パスを通す。井上はワンタッチで梶川に。梶川はゴールエリア手前の小池に預けた。そこから細かく、森田、奈良輪雄太、井上とやはりワンタッチで繋いで、最後は再び小池が豪快にボレーシュートを決めて、自身初のハットトリックで5点目を奪った。

 いいパスを量産していたクレビーニョに、指示を出す永井秀樹監督

 クレビーニョに始まり、小池のゴールまでに要した時間は18秒。この18秒間で、ボールにかかわった選手は8人で、つないだパスは11本だった。