アジア王者がJ2降格?残り4節、大混戦のJ1残留争いを整理してみた (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 前監督が最後に指揮をとった第22節を終えた時点では、勝ち点29ポイントの11位をキープしていた。だが、それ以降は8戦未勝利。ここにきて5連敗と出口が見えない状況にある。

 残りの対戦相手は、セレッソ大阪、FC東京、サンフレッチェ広島、松本の4チーム。最終節の松本戦は残留をかけた直接対決となりそうだが、このまま連敗が続くようだと、それ以前にJ2降格が決定してしまう可能性も否定できない。チームの建て直しはもちろん、それ以上にクラブとして長期政権後の抜本的再建が求められる現状、J1残留は風前の灯といえる。

 それとは逆に、8月以降の直近10試合でコツコツと勝ち点を積み上げているのが17位の松本だ。その間、わずか2敗を喫しただけで、積み上げた勝ち点は12ポイント(2勝6引き分け)。もちろん現時点で降格圏から抜け出したわけではないが、残留の可能性という点においては、下位3チームのなかで最も高いと見ていいだろう。

 なにより心強いのは、就任8年目の反町康治監督の存在である。昇格と降格の経験が豊富な指揮官は残留するためのノウハウを熟知しており、その点は大きなアドバンテージになるはず。実際、優勝争いを繰り広げるFC東京(第27節)や鹿島(第29節)から勝ち点1をもぎとるなど、反町サッカーの真骨頂ともいえる"タダでは転ばない粘り強さ"を発揮している。

 残りの対戦相手は、サガン鳥栖、横浜FM、G大阪、そして最終節には湘南との直接対決が待っている。湘南との勝ち点差はわずか1ポイントゆえ、もはや自動降格圏脱出は視界に入ってきたと言える。

 これら3チーム以外で降格の可能性を秘めているのは、15位鳥栖(32ポイント)、14位名古屋(33ポイント)、13位清水エスパルス(35ポイント)、12位ベガルタ仙台(35ポイント)、11位浦和レッズ(36ポイント)の5チーム。このなかで危険信号が灯っているチームを挙げるとすれば、名古屋と浦和になる。

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