2019.11.06

4トップにもなる超攻撃的戦術。
Jリーガー多数輩出の名門大が2冠

  • 小室 功●取材・文 text by Komuro Isao
  • photo by Komuro Isao

「高い位置でボールを奪えれば、相手ゴールが近く、素早い攻撃につなげられるし、守備に戻る距離も短くできる。ハイラインで、あまり沈まない。そこをチームとしてすごく重視していますね」

 ハイラインを維持しながら戦ううえで基盤となっているのが、チームが掲げる”球際、攻守の切り替え、運動量”の三原則だ。「日々の練習はもちろん、競争力の高い紅白戦によって選手たちは着実にレベルアップしている」と、栗田監督が自負するとおり、個々のハードワークには目を見張るものがあり、たたき出した数字がそれを物語っている。

 関東大学リーグ1部は2005年から12校によって優勝が争われているが、今季の第19節を終えた時点で、明治大の総得点43はリーグ最多、総失点10はリーグ最少。攻守両面で他校を圧倒する実績に、ただ脱帽するしかないだろう。

“ハイライン”はチームコンセプトを象徴する大事なキーワードだが、ちょっとしたところにも栗田監督のこだわりが見え隠れする。

 試合前に提出されるメンバー用紙には監督やコーチ陣、スタメン、リザーブメンバーの名前をはじめ、ユニフォームの色なども記載されている。加えて、関東大学サッカーリーグではチームの布陣を書くスペースもある。

 明治大は3バック、2ボランチ、両アウトサイド、トップ下、2トップが基本形なので、「3-4-1-2」といっても差し支えない。だが、両アウトサイドをボランチではなく、トップ下と同じ高さに記載するので、「3-2-3-2」の並びになっているのだ。

「明治大はこれまで4-4-2を主体に戦ってきましたが、今いるメンバーの特徴をより生かしたいと考え、今年から新たなシステムにチャレンジしています。両アウトサイドはウイングだよというくらいの思いがあるので、メンバー表にもその意図を込めていますね。僕は静岡県の清水出身なんですが、小さいころに3-3-4システムを盛んにやっていて、その記憶がどこか残っているのかもしれません(笑)」(栗田監督)

 明治大サッカーの肝ともいえる両アウトサイドを務めるのは、日大藤沢高(神奈川)出身の中村帆高と、ジュビロ磐田U-18出身の森下龍矢だ。ともに4年生で、卒業後はJクラブに進むことが内定している(中村はFC東京、森下はサガン鳥栖)。