昨季の王者、川崎のボール支配率が低下した要因はサイドにあり (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 ゲームを圧倒的に支配していながら、カウンターで大ピンチに陥るならわかる。川崎らしい敗れ方と言えるが、たとえばこの日の広島戦はその真逆だった。川崎の勝ち方は、これまでなら他のチームが川崎に勝利するパターンだった。

 ヒーローがマギーニョであったことも皮肉に映った。右SBの存在が、クローズアップされることになった試合だったのだ。

 ちなみに今季、マギーニョとともに獲得したレアンドロ・ダミアンも先発出場したのはわずか9試合。ゼロックススーパー杯で決勝ゴールを叩き出し、期待されたものの、結局チームの柱にはなれなかった。

 川崎は、今季から外国人枠が5人に拡大されたにもかかわらず、外国人選手をうまく活用できなかった。中心を務めるのは日本人選手だが、中村、家長といったベテランは昨季よりパフォーマンスを少し低下させ、大島はケガに苦しんだ。

 首位と7ポイント差の4位という現在の成績には、必然を感じるのである。ここから来季に向けてチームをどう立て直していくか、目を凝らしたい。


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