2019.10.28

混戦のJ1優勝争い。上位陣それぞれの不安材料と理想のシナリオは?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 優勝争いのダークホース的な存在は、横浜FMだ。彼らの攻撃的なスタイルは、安定感には欠けるものの、J1ナンバーワンと言える爆発力がある。ただし、彼らが2004年以来となるリーグ優勝に向けては、どのタイミングで首位に立つかが分岐点になりそうだ。

 鳥栖、札幌、松本、川崎、FC東京との対戦を残すが、彼らのスタイルだと、早い時期に首位に立ってしまうと、首位の座を守ろうとすると、奔放な攻撃サッカーの勢いが鈍る危険性がある。最終節を迎えるまでは勝点1差内の2位か3位につけ、ホームでの最終節で勝利して優勝を決めるというシナリオが理想的ではないか。

 昨季2位の広島は、今季もしぶとく戦いながら4位につけている。城福浩監督のもとで本当によく戦っているし、彼らにもワンチャンスは残されている。そのポイントになるのが外国人FWだ。ドウグラス・ヴィエイラとハイネルがいかに得点機を生み出せるかにかかっている。

 残り5試合は、浦和、川崎、鹿島、湘南、仙台との対戦が待っているが、上位直接対決をしっかりとモノにして勝点3を上積みできれば栄冠に近づくし、逃すようだと3位以内も厳しくなるだろう。そして、5位につけているセレッソにも、優勝の可能性は十分ある。FC東京と同様に上位との対戦が少ないのだが(湘南、松本、神戸、清水、大分)、対戦相手の残留争いも関係してくるだけに、簡単な試合はないだろう。

 いずれにしろ、優勝争いは最終節までもつれそうだ。優勝を争っているクラブは、長いシーズンを苦闘しながら戦ってきた。だからこそ、12月7日のJ1最終節では、優勝を勝ち取るクラブへ、大きな注目と喝采を送ってもらいたい。

◇プロフィール 福田正博(ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日神奈川県生まれ。176cm。日本リーグ時代、三菱(現・浦和)に入団し93年からJリーグへ。95年50試合32得点で、日本人初のJリーグ得点王に。日本代表45試合9得点。02年現役引退。S級ライセンス取得後、2008年から浦和レッズコーチに就任。現在はサッカー解説者として『SUPER SOCCER』(TBS)など各媒体で活躍。

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