青山敏弘を救った本田圭佑という良薬。
「特別なパワーをもらった」

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji

青山敏弘インタビュー@前編

 ワールドカップ開幕を目前に控えた2018年5月、青山敏弘は決戦の地・ロシアにたどり着く前に、ひっそりと日本代表に別れを告げた。傷めていたひざの状態が悪く、ドクターストップがかかったのだ。

 その後、復帰を果たしたものの、今年1月のアジアカップで青山のひざが再び悲鳴をあげた。新シーズン開幕を前に突きつけられた長期離脱という現実――。公式戦のピッチに戻ってくるまでに、青山は何を思っていたのか。フル出場を果たせるまでに復活したサンフレッチェ広島の至宝に、復帰までの道のりを訊いた。

―― 今年1月のアジアカップでひざを痛め、7月の天皇杯でようやく公式戦復帰を果たし、今はフル出場できるようになりました。本当に一歩一歩積み重ねて、ここまで戻ってきましたね。

青山敏弘(以下:青山) おかげさまで、今は本当に調子がいいですね。今回ありがたかったのは、チームの状態がよくて、勝っているなかで復帰させてもらえたこと。だから自分も、じっくり(負傷箇所の状態やコンディションを)上げていくことができました。しかも、最初の頃は時間限定で、途中出場という立場でプレーさせてもらった。

 やっぱり、自分にとって一番大事なのは、チームの勝利。そのなかの一員になりたいと思っていたから、そういう役割を与えてもらったのは大きかったし、今は先発で出させてもらっていて、「ここまで戻ってこられたんだ」って自信になっている。それもすべて、みんなに助けられたなって思っていますね。

―― 話に出たように、復帰後ひと月くらいは試合の途中から入って攻撃のギアを上げたり、守備において締めるべきところを締めたりする役割を与えられていました。それもまた新鮮だったのでは?

青山 そのとおりですね。自分にとって新しいチャレンジでしたし、テンポアップするタイミングや仕掛けるタイミングで起用してもらい、なおかつ結果につながっていたので、すごく楽しかった。勝利に貢献できる、グラウンドでみんなといろいろなものを分かち合える、それが自分にとって本当に大きいんですよね。

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