ブレない横浜F・マリノス。
タイトル奪取の現実味が一気に増した

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 前節終了時点で3位の横浜FMが、この勝利で確実に勝ち点3を加えた一方で、首位に立っていたFC東京は、サガン鳥栖に1-2の逆転負け。セレッソ大阪に1ー0で勝利した2位の鹿島アントラーズが、入れ替わって首位に立ったが、横浜FMと首位との勝ち点差は3まで縮まった。勝ち点3差とは、いわば"1ゲーム差"であり、横浜FMは首位を完全に射程圏内に捉えたと言っていい。

 もちろん、選手たちの表情に、まだまだ満足は見られない。

 MFマルコス・ジュニオールがニコリともせず、「やるべきことを整理して練習を続けるだけ。地に足つけて、浮足立たずにやること。あまり先を見過ぎないことが大事だと思う」と言えば、仲川もまた、「自分たちは追う立場。勝ち続けるしかない」と、覚悟の言葉を口にする。

 ポステコグルー監督就任1年目の昨季は、J1で12位。極端にボールポゼッションに偏ったスタイルは、その果敢な姿勢を好意的に見る向きも多い一方で、頂点に立つのは難しいとの見方が大勢だった。

 だがしかし、一気に11ランクアップの"サプライズV"も、もはや夢ではなくなった。その実現の可能性は確実に高まっている。

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