FWジェイの本心。「イニエスタがいても勝てない。Jリーグは甘くない」 (3ページ目)

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 では着実に積み重ねてきたキャリアを通じて、ジェイがもっとも手を焼いた守備者たちは、誰なのだろうか。そう質問を向けると、彼はその長い日々を思い返すように、少し遠くを見つめるような目をした。

イングランド代表としてプレーしたジェイ。当時28歳だった photo by Press Association/AFLOイングランド代表としてプレーしたジェイ。当時28歳だった photo by Press Association/AFLO「パオロ・マルディーニ、リオ・ファーディナンド、真っ先に浮かぶのはこの2人だ。それからイバン・コルドバも厄介なDFだった。彼は大きくないのに、桁外れの運動能力を備えていて、ジャンプ力も凄まじく、空中戦にも強かったな」

 Jリーグで対戦した相手は、どうだろうか。

「昌子(源/トゥールーズ)だね。鹿島には常にタフなCBがいる印象だ。昌子が出て行ったあとも、鹿島の最終ラインは堅いね。それから浦和の槙野(智章)も強い。日本のDFも簡単な相手ではないよ」

 そう話すジェイは、自分と同じように、Jリーグに挑戦する外国籍選手がもっと増えたらいいと思っている。ただし、適切なモチベーションとコンディション、能力がなければ、通用する舞台ではないと語る。

「僕はここで成功したいと強く望んで、移籍を決断した。栄光のキャリアを誇る選手でも、余生を過ごすくらいの気持ちで成功できるほど、甘いリーグではない。(アンドレス・)イニエスタや(ダビド・)ビジャは真のワールドクラスだし、彼らがJリーグを甘く見ているとは思わないけど、彼らの存在だけで勝てるリーグではないことは、今シーズンの順位表を見ればわかるよね。だから、もし日本に来ることを考えている外国籍選手がいたら、正しい姿勢とモチベーション、強い意欲とともに来てもらいたいね」

ジェイ
Jay Bothroyd/1982年5月7日生まれ、イギリス・ロンドン出身。北海道コンサドーレ札幌所属のFW。アーセナルの育成組織で育ち、プロ入り後はイングランドのクラブを中心にプレー。イングランド代表歴1キャップを持つ。2015年より日本へ。コベントリー→ペルージャ→(イタリア)→ブラックバーン→チャールトン→ウォルバーハンプトン→ストーク・シティ→カーディフ・シティ→QPR→シェフィールド・ウェンズデー→ムアントン・ユナイテッド(タイ)→ジュビロ磐田(日本)

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