話題のヴェルディユース出身者。次なる注目株は17歳のレフティだ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

「最初の頃は、自分で(ボールを)受けることが少なかったが、監督が永井さんになって、(ボールに)触る回数が増えた。永井さんはやりたいサッカーが明確。(攻撃のときに)僕を経由する回数が多いというのもあるし、自分自身も余裕が出てきている。監督からの要求は高いが、ボールを受ける前に(周りを)見ることとか、細かいところを指導してもらっている」

 つまり、物足りなさを感じるのは、裏を返せば、積極的にプレーに関わる機会が増えてきているから、と言い換えることもできる。徐々にではあるが、本領を発揮する条件は整ってきているようだ。

 しかし、そうはいっても、まだ17歳である。「(ユースのときと比べて)トップのほうが、試合後にどっと疲れが出る。まだ10数試合しか出ていないのに、精神的にも(大きく息を吐きだすようにして)『はぁー』ってなるのは感じている」と率直な感想を口にし、苦笑いを浮かべる。

「来年(1シーズンフルに)40試合出るには、(フィジカルだけでなく)もっとメンタルも強くなっていかないといけない」

 山本が自らに課す"宿題"である。

 こうしてまた、ヴェルディに若き逸材が登場してきたことは、痛しかゆし。自前で育てた選手が次々にJ1クラブに引き抜かれていく現状に、クラブ関係者やサポーターは気が気ではないだろう。

 だが、やはりこの先、山本がどんな成長を見せ、どんな道を歩んでいくのかは楽しみだ。

 今をときめくヴェルディユース出身から、またしても注目すべき選手が現れた。

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