話題のヴェルディユース出身者。次なる注目株は17歳のレフティだ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

 そんなヴェルディからまたひとり、"今後、買いが集まりそうな注目株"が台頭してきた。

将来が嘱望される東京ヴェルディの山本理仁将来が嘱望される東京ヴェルディの山本理仁 背番号20の17歳、MF山本理仁である。

 2001年12月生まれの山本は、今季J2第12節のV・ファーレン長崎戦でJリーグデビュー。当初は途中出場も多かったが、ギャリー・ジョン・ホワイト前監督に代わり、ユースチームを率いていた永井秀樹監督がトップチームの監督に就任すると、いわば"秘蔵っ子"の山本も主力に定着。第24節から直近の第33節まで、10試合連続で先発出場を続けている。

 そんな山本の最大の魅力は、優れたパスセンス。積極的にボールを受けては長短のパスをさばき、攻撃の組み立て役を担っている。

 身長177㎝のレフティは、いい意味で腰が高く、ピンと背筋を伸ばして堂々とピッチに立つ姿からは、何とも言えないスケール感が漂う。"雰囲気がある"かどうかは、将来性を見極めるうえでは馬鹿にできないポイントだ。

 本来は中盤の選手だが、ポゼッションスタイルを志向する指揮官の下、右サイドバックで起用された試合もある。当然、「初めてだったので、正直、難しさがあった」と言うが、「どこにボランチがいたら(サイドバックは)助かるかがわかる」と、すべての経験を成長の糧につなげている。

 とはいえ、率直に言わせてもらえば、まだまだ物足りなさを感じる点は数多い。今すぐにJ1でも通用する、とはとても言い難い。

 山本自身も「見えているところがまだ浅い。もっと遠くを見ないと」と語っているように、相手の脅威にならない無難なパスがしばしば目につき、また、失点に直結しかねないボールロストも少なくない。「あそこのポジション(ボランチ)でボールを失うと、ピンチになる。(ミスを)減らしていかないといけない」とは、本人の弁だ。

 それでも、当初は「トップチームのプレースピード、判断スピードは、ユースとは違う」と感じていたが、最近では「慣れた部分がある」のに加え、ユース時代から知る永井監督が就任したことで、プレーにも変化が生まれてきているという。

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