イニエスタ頼みにおさらばか。フィンク神戸のスタイルが機能してきた (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 トルステン・フィンク監督の手腕にも注目したい。就任してからの数試合は、しっかりと相手をスカウティングして、相手のストロングポイントを消し、数少ないチャンスをモノにするサッカーをしていた。

 だが、現役ベルギー代表のトーマス・フェルマーレン、元日本代表の酒井高徳を補強し、第23節の浦和レッズ戦からはシステムを4バックから3バックに変更した。すると、最終ラインからのビルドアップが安定し、その後松本戦までの4試合で13得点と爆発した。

 フェルマーレン、ダンクレー、大崎玲央の3バックは安定感があり、サンペールをアンカーに置き、山口蛍をインサイドハーフに上げ、両アウトサイドに酒井と西という経験豊富な選手を置いたシステムは、より攻撃的に機能している。それは、イニエスタ頼みのサッカーから脱皮しようとしているように見えた。

 もちろん、今までと同様、相手のスカウティングも忘れてはいない。松本戦でも、相手のストロングであるカウンターをほぼ完全に抑えていた。

 松本に勝ったからといって、完全に残留争いから脱出したわけではない。次節にはイニエスタが復帰する可能性があり、さらにルーカス・ポドルスキも復帰できる状態にある。こうなると外国人選手の出場枠の問題もでてくる。

 残り8試合。フィンク監督はどんな先発メンバーを選んで、どういうサッカーをするのか。その手腕に注目したい。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る