残留争いに飲み込まれたガンバ大阪。再浮上のきっかけを見出せるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 パトリックはここまで4試合出場で2ゴールと、まずまずの結果を残しているが、宇佐美は6試合連続で先発出場しながら、得点は復帰初戦での1ゴールのみである。結果もさることながら、動きを見ていてもキレがないのは、気になるところだ。

 順位のうえでは、第25節終了時点で14位と、降格圏から抜け出してはいる。だが、勝ち点に目を向ければ、17位の松本山雅とは勝ち点4差。J1参入プレーオフ進出となる16位のサガン鳥栖とは、勝ち点1差しかなく、J1残留争いに飲み込まれたままだ。

 そんな勝ち切れない現状を象徴するかのように、横浜FM戦もちぐはぐな試合展開に終始した。

 ガンバはこの試合、まず3-5-2の布陣でスタート。「1週間かけて相手の戦術の対策を、みんなで合わせてやってきた」(井手口)というガンバにとっては、高い攻撃力を持つ横浜FMに「押し込まれるのはわかっていた」(MF小野瀬康介)。ある程度の劣勢は想定内だったはずである。

 だが、実質5バック+3ボランチで守るガンバは、相手の攻撃をどうにか防ぐことはできても、ほとんど攻撃機会を作り出せなかった。

 宮本恒靖監督が、「前線で奪うチャンスがあれば、奪いにいくし、押し込まれてもカウンターを狙いながらという前半だった。いくつかそういう形(カウンター)が見られたと思う」と振り返ったように、たしかにガンバにも数回のチャンスはあった。

 だが、言い換えれば、攻撃できたのはわずか数回だ。低い位置まで押し込まれたあと、奪ったボールをどう攻撃につなげるのか。率直に言って、その形を見出すのは難しかった。まして、前半のうちに先制ゴールまで許してしまっては、勝利はおぼつかない。

 後半早々に追加点を許したあと、遠藤、パトリックを同時投入し、布陣も4-4-2へとシフトチェンジ。これが功を奏して1点を返し、その後も圧倒的な攻勢の時間を作ったが、パトリックの同点ゴールがオフサイドの判定で幻に終わると、それを境にガンバの勢いは衰えてしまった。

 結局、78分にダメ押しの3点目を奪われ、万事休す、である。

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