2019.08.07

サッカールール改正でハンドの
基準再定義。反則になるケースは?

  • 清水英斗●取材・文 text by Shimizu Hideto
  • photo by Getty Images

「攻撃側の選手の手や腕に当たってゴールになったら、それは意図があってもなくても、ハンドになります。アジアカップのベトナム戦、吉田麻也選手のヘディングが典型ですね。頭で触った後に自分の手に当たってゴールに入りましたが、吉田選手に手で触る意図はありません。でも、競技の公平、公正、魅力の向上という部分を考えたとき、サッカーというスポーツは手で得点するものではない。だからハンド。その一方、守備側であれば、意図が全くないのでノーファウルになります。

 状況から見れば、ダブルスタンダードですよね。同じ触り方をしても、攻撃側か守備側かによって判定が変わるわけですから。それを"公平じゃない"と言う人はいるかもしれませんが、そもそもサッカーは手で得点することを、誰も期待していないですよね。得点だけでなく、意図なく手や腕に当たって落ちたボールをシュートした場合なども、攻撃側はハンドになります」

 旧ルールでは"意図的かどうか"がすべての判断基準だったが、この部分は変更された。新ルールの場合、意図がなくてもハンドを取られるケースが、明確に設定されている。

 それは攻撃側という対象者の設定のほか、"手や腕を用いて自身の体を不自然に大きくする"という記述も、その一つだ。小川氏が解説する。

「英語で言うと、Make the body unnaturally bigger。未必の故意的なもので、ここに手や腕を置けば当たるだろうなと、体の面積を大きくする。たとえば、アジアカップのオマーン戦でブロックに入った長友佑都選手の腕に当たったシーンです。腕を水平か、肩以上に上げて、体を大きくしましたよね。当時の試合はPKを免れましたが、新ルールでは意図にかかわらずハンドです。

 選手が気をつけなければいけないのは、ジャンプすると体が反応して傾き、肩の位置より手や腕が上がって行くことです。たとえ意図していなくても、その姿勢はハンドと判定されることになります」

 攻撃者の手に当たってゴールしたら、意図にかかわらずハンド。不自然に体を大きく、とくに肩以上に上げた腕にボールが当たれば、守備者でもやはり意図にかかわらずハンドとなる。