サッカーユース年代が急激に進化!名古屋U-18の完勝が証明している (3ページ目)

  • 後藤健生●取材・文 text by Goto Takeo
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

 ようやくクラブチームが優位となっていくのは2002年ワールドカップ日韓大会が終わってからのこと。一時は、Jリーグクラブの指導者が逆に勝敗にこだわりすぎるような時代もあったが、現在では「テクニックを試合にどう生かすのか」を考えた指導がなされ、バランスの取れた強化を実現しており、U-15の段階で優れた素材がJリーグの下部組織に流れるようになったこともあって、現在では実力的にクラブチームが高校チームを凌ぐ時代となっている。

ユース年代のレベルアップが著しいユース年代のレベルアップが著しい 最近、U-22、U-20といった年代別の日本代表が国際大会ですばらしい戦いをしているのも、ユース年代でのバランスの取れた強化が定着しているからだ。

 たとえば、かつては「日本人選手はシュートを撃たない。それは日本の社会構造のせいだ。日本式教育のせいだ」などと言われていたが、今の若い選手たちはとても攻撃的だ。森保一監督になってからの日本代表は前がかりで攻撃的なサッカーを続けているし、久保建英はレアル・マドリードのプレシーズンマッチで与えられた短い時間の中で、積極的にシュートを撃っている。

 日本クラブユース選手権大会で優勝した名古屋グランパスU-18も、そんな攻撃サッカー全盛の時代を体現したチームだった。また、決勝戦の前半に攻撃を自重した時のように、自分たちのコンディションや試合展開を考えて適切に判断しながらプレーできるようになっているのも最近の選手たちの特徴だ。

 日本の若い世代が急激にレベルアップしているのは間違いない。

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