2019.08.02

海外移籍続出。転換期の鹿島にあって、
町田浩樹は変わらぬ強さの象徴

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 しかも、”外様”を加えたからといって、志向するサッカーが大きく変わることはない。誰が出てもやるべきことに忠実な、実に手堅いサッカーが繰り広げられる。そこが鹿島の強さである。

 7月31日に行なわれた直近の試合、J1第16節の浦和レッズ戦を見ても、控え選手を含めた鹿島の登録メンバー18人のうち、11人(外国人選手4人を含む)が移籍加入の選手だったが、鹿島は鹿島だった。昌子、植田に代わってセンターバックを務める、DF町田浩樹が語る。

「選手が変わってもブレない哲学が、鹿島にはある。代わりに出た選手がチャンスをつかんでいるので、(シーズン途中に選手が入れ替わることを)気にしていない」

 結果的に先制しながら、同点に追いつかれ、試合は1-1の引き分けに終わった。今の鹿島には経験豊富な選手が多いとは言えず、不安定さも垣間見える。しかし、序盤は相手の攻撃に苦しみながらも、試合のなかで修正を施し、徐々に主導権を握っていく。そんなゲーム運びは、鹿島らしいものだった。

 チームを率いる大岩剛監督も、「最後は勝ち切りたかったが、プランどおり、自分たちのゲームをしてくれた。いいゲームだった」と話しているとおりだ。今季もここまで、AFCチャンピオンズリーグではベスト8に勝ち残り、J1でも首位のFC東京と勝ち点4差の3位につけている。

 とはいえ、移籍加入組への依存度が高まるのは、必ずしもいいことばかりではない。若手育成の観点からも、地域密着の観点からも、やはり自前で育てる生え抜きの選手は、Jクラブにとって欠かすことのできない存在だ。

 その点においても鹿島は、盤石とは言えないまでも、抜かりなく手を打っている。それを証明しているのが、前出の町田である。

海外へ移籍した植田直通や昌子源らの穴を埋めている町田浩樹 2015年に鹿島ユースが初めて日本一(高円宮杯U-18優勝)になったときのメンバーである町田は、プロ4年目の今季、主力に定着。植田、昌子とレギュラーが去った最終ラインを支えている。今年8月に22回目の誕生日を迎えるセンターバックは、充実の今季についてこう語る。