2019.07.22

どうしたアビスパ福岡。
J1昇格候補がまさかのJ3降格危機に直面

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 チームがなかなか勝てないときというのは、得てしてこういうものなのかもしれないが、實藤が言うように、今の福岡からは、流れやリズムといったものの悪さを感じずにはいられない。

 たとえば、前半11分の1失点目は、(福岡から見て)右サイドからゴール前に入ってきたFKを、GKセランテスが前に出て処理しようとするも頭を越され、直接のゴールインを許したもの。その後、セランテスが再三のスーパーセーブで追加点を防いでいたことを考えれば、ここでそんなイージーミスが出るのかと目を疑いたくなるような、まさかの先制点献上だった。

 その一方で、前半22分に福岡が迎えた決定機では、ゴールポストに当たったはね返りのボールを、ほとんど無人のゴールへ押し込むだけでよかったにもかかわらず、ボールに向かったFW木戸皓貴とMF松田力の動きが重なる不運。その結果、松田よりも悪い体勢だった木戸がシュートを放つことになり、ボールは無情にもクロスバーをヒットした。

 實藤が続ける。

「今季は一回も連勝していない。前節の町田戦は、(序盤は劣勢で)悪い流れで試合に入ったけど、勝つことができた。でも、それが続かない。チームの空気が悪いわけではないが、結果を見ると勝てていない」

 そして、福岡で4年目のシーズンを迎えた30歳は、悲壮な覚悟を口にする。

「いい流れを自分たちで強引にでも持ってこないといけない。この結果を簡単に流していたら、降格する可能性もある。まずは、しっかりと(失点を)ゼロで抑えること。流れはそういうところからできてくると思う」

 時計の針を今季開幕前まで戻せば、福岡はJ1昇格候補のひとつと見られていた。

 2015年にJ2で3位となり、プレーオフを勝ち上がってJ1昇格。わずか1シーズンでJ2へ逆戻りとなってしまったが、昨季のJ2でも7位。最後の最後でプレーオフ進出圏内(3~6位)からこぼれ落ちたものの、シーズンを通して昇格争いに加わり続けた。それを考えれば、開幕前の評価は当然のものであり、これほどの苦境に陥ることを想像するのは難しかった。