J王者・川崎フロンターレがチェルシー戦で得た多大なる「気づき」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 わずか10分足らずの出場で、マンオブザマッチの賞金100万円をかっさらっていったMF中村憲剛の言葉が興味深い。

「(チェルシーとの違いは、ボールを)止める、蹴る。あとは、パススピード。(チェルシーの選手は速いパスを)止められるから、(プレスから)逃げられる。自分たちももっとパスワークを突き詰めないと。向こうより止める、蹴るができないと戦えない」

 選手一人ひとりがプレーエリアを広げるには、ある程度体のサイズも必要だし、身体能力も必要になる。つまりは、外国人選手に比べて体の小さい日本人選手が、そうそう簡単にできることではない。

 だが、パススピードを上げ、相手より先に適正ポジションを取り、正確にパスをつなぐ技術なら、日本人でもまだまだ高めることができる。仮にそれができていれば、この日の試合も「川崎の距離」に持ち込めた可能性は十分にある。

 中村は「もっとやらなきゃダメだと思うに十分な試合」だったと言い、「選手それぞれに気づきが起きる」と、この試合の効果を口にする。

 Jリーグ屈指のパスサッカーの使い手である川崎にとって、実り多き"金星"だった。

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