J1優勝争い&残留争い展望。カギは主力移籍の影響を最小限にすること

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■J1は後半戦に入り、上位争いと残留争いがさらに熾烈になってきている。元日本代表の福田正博氏が考える優勝候補はどこか? カギを握るプレーヤーは? 展望を語ってくれた。

 優勝争いや残留争いは、後半戦が進むに連れてさらに熱を帯びていきそうだ。また、主力選手が海外クラブに引き抜かれてしまうと、計算が立たなくなってしまうJリーグならではの難しさもある。

 この影響を大きく受けそうなクラブのひとつが、FC東京だろう。開幕から首位を走っているが、その立役者の久保建英がレアル・マドリードへ移籍した。その大きな穴を長谷川健太監督がどう埋めるのかに注目している。

FC東京の攻撃を引っ張る永井(左)とディエゴ・オリベイラFC東京の攻撃を引っ張る永井(左)とディエゴ・オリベイラ FC東京は昨年も前半戦首位を走ったが、ディエゴ・オリベイラの得点がストップすると失速。今季も、4月28日の松本戦でのゴールのあと、ディエゴ・オリベイラと永井謙佑が7試合連続でノーゴールと、前線の得点力不足に陥った。

 その前半戦に勝ち点を積み上げられたのは、久保の存在が大きかったと言える。ディエゴ・オリベイラと永井が無得点に終わった5月4日から6月1日までのリーグ戦5試合のうち、久保は3試合で4ゴールと勝利に貢献していた。

 後半戦でディエゴ・オリベイラと永井の得点ペースがダウンしないとは限らない。第17節、第18節とそのふたりが連続で得点をあげて勢いはそのままだが、久保のポジションに起用されているナ・サンホなど、2トップ以外の選手がどれだけゴールに絡めるかがポイントになるだろう。

 長谷川監督の戦い方は堅守速攻。相手に自陣で守られたときの対応策をどのようにしていくのかも注目したい。さらに、選手にハードワークを求めるFC東京の場合、暑さの厳しい夏場は選手たちのコンディションを整える難しさもある。リーグ優勝の栄冠にたどり着くために、そうしたハードルを越えていかなければならない。

 安定した戦いが望めるのが3連覇を狙う川崎フロンターレだ。彼らにとっては不本意な結果だろうが、ACLで敗退したことでリーグに専念できることは大きい。今季新加入のレアンドロ・ダミアンの出場時間が増えていることに加え、キャプテンの小林悠が今年も本調子に近づいてきて、ゴールを増やしていくはずだ。

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