Jクラブとの連携で躍進。
日体大柏は千葉の2強を倒して歴史を変えた

  • 吉田太郎●取材・文 text by Yoshida Taro
  • photo by Yoshida Taro

 日体大柏は2013年度の関東大会千葉県予選で優勝し、翌年も準優勝で関東大会に出場した。ただし、同大会は2強が参加しておらず、当時のインターハイ予選、高校選手権予選では、決勝を前に2強やその他の高校に敗れている。

 関東一帯、全国各地から有力選手が集まってくる2強相手に「普通にやっていても勝てない」。当時監督を務めていた片野総監督は、それを強く実感していた。迎えた2015年、日体大柏は学校サイドの協力もあって改革を本格スタートする。同年2月に柏レイソルと相互支援契約を締結。学校が柏レイソルU-18の選手を受け入れる代わりに、"柏のアカデミーの一つ"としてサッカー部を強化することになった。

 柏のアカデミーコーチが日体大柏に派遣されて指導。加えて、アスリートコースの1年生選手が専門体育の授業で柏アカデミーコーチから指導を受けたり、日体大柏の有力選手が柏U-18のトレーニングに参加するという試みがスタートした。

 ボールを持ったら相手に渡さない。これが柏アカデミー全体で共有されている哲学で、ポゼッション、ダイレクトパスによるプレーは非常に高度だ。すべてではないまでも、"レイソルメソッド"を学んだ選手たちは徐々に変化。柏との提携前後を知る片野総監督は、「レイソルの育成力はJユースの中でも高いものがある。コーチ陣の指導力は間違いない。ボールを置く位置や次のプレーを意識して動くとか、パストレーニングでも教え込んでいるなと思った」と口にする。

 柏と提携したことによって、柏U-15や柏のアライアンスアカデミーである柏レイソルA.A.野田、長生、流山、TOR'82から、柏U-18に昇格できなかった選手の入部が増加。すでに小中学生時代から"レイソルメソッド"を学んでいる彼らは、コーチ陣の求める要求に応え、チームのレベルを一段階引き上げた。

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