2019.06.24

千葉県民が見た千葉ダービー。
9年前のライバル関係はそこになかった

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 1得点・1アシストで勝利の立役者となった瀬川も、前向きなコメントを残している。

「相手をポゼッションでいなすシーンが何回かあったし、レイソルらしいサッカーが垣間見えた。常にこのサッカーがベースだと思うので、これからもハードワークを続けていきたい」

 これで柏は6位に浮上。自動昇格となる2位の大宮アルディージャとの差は4ポイントに詰まっており、1年でのJ1復帰に向けて視界が開けてきている。

 一方、千葉にとってはポジティブな側面を見出しにくい完敗となった。高いラインを保ち、後方からボールをつなぎながら主導権を握る狙いはあったものの、柏のプレッシャーの前にパスをつなぐことがままならず、結果的にロングボールを狙う場面が増えていた。その意味で、結果だけでなく、内容的にも乏しい一戦となっただろう。

 後半頭からピッチに立った佐藤寿人は、不甲斐ない戦いに、厳しい表情を崩さなかった。

「後ろにもいい選手がいる今日の相手を考えれば、アバウトなボールで(1トップの)クレーベがひとりでがんばるのは、決していいアイデアとは言えない。相手の嫌な場所に入ってボールを受けて、前に運んでいく。それを前半からなかなかうまくできていなかった」

 そんな状況をベンチから見つめていた佐藤は、FWながら中盤に下がってボールを引き出す役割を率先してこなしていた。ストライカーとすればゴール近くにとどまりたいのが本音だろうが、佐藤は状況改善を図るべく、その欲求を抑えてまで、本来の役割とは異なるプレーを実践したのである。

 18年ぶりに古巣に復帰したストライカーは、チームの現状にもどかしさを感じているようだった。

「みんな、できないわけではない。でも、アバウトなボールに全体として逃げていた。相手のプレスがそんなに激しかったわけではないのに、必要以上に受けてしまっていた」

 たしかに、柏はJ2では図抜けた実力を備えたチームである。佐藤自身も力の差があったことは認めている。それでも、および腰で臨んでしまえば、ハナから勝負は決まってしまう。やれるのに、やらないことこそ、もったいないことはない。