2019.05.22

鹿島復調の陰に新左サイドハーフあり。
白崎凌兵の能力は日本代表級

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 Jリーグ第12節。鹿島アントラーズが5-0で松本山雅に勝利した一戦は、久しぶりに見る一方的な試合だった。鹿島がよすぎたのか、松本が悪すぎたのか。

 要因を鹿島側に求めようとすると、外せない選手は、試合後、ヒーローインタビューを受けていた白崎凌兵だ。今季、清水エスパルスから移籍してきた26歳。この日は偶然にも誕生日だった。

今季、清水エスパルスから鹿島アントラーズに移籍した白崎凌兵 先発を飾ったのは第8節のベガルタ仙台戦から。この松本戦はその5試合目にあたった。

 鹿島といえば選手層の厚いチームとして知られる。メンバーをフレキシブルに入れ替えるターンオーバー制を敷き、さらには複数のポジションをこなすことができる多機能型選手を数多く擁している。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に常に出場しているチームなので当然かもしれないが、ベストメンバーの定義がこれほど難しい、混沌としたチームも珍しい。

 そこに加わることになった白崎。彼がプレーする左のサイドハーフ(SH)は、開幕から、今季から背番号10をつける安部裕葵がスタメンを張ってきた。売り出し中の20歳が、てっきりこのポジションを不動のモノにするかと思われたが、事はすんなり進まなかった。

 SHというポジションに、安部はいまだ馴染めずにいる。今季の初ゴールを挙げたのは10戦目(清水エスパルス戦)。高校時代までトップ下を務めていたという安部は、左を維持しながら攻撃に絡んでいくコツをまだつかめていない様子だ。

 その間隙を縫うように白崎は登場した。初先発は第8節ベガルタ仙台戦(1-0で勝利)。続く横浜FM戦こそ、チームはまさかの逆転負けを喫したが、清水戦からは3連勝。松本戦は先述のとおり5-0の大勝だった。白崎が左SHの座に就いたことと関係ありだ。実際、この試合で白崎は2ゴールを叩き出し、事実上のマン・オブ・ザ・マッチだった。

 レオ・シルバのパスを左足のインサイドできれいに合わせた後半2分の2点目と、土居聖真の右からの折り返しをヘディングで合わせた後半20分の4点目。それぞれ周囲がお膳立てしたチャンスに合わせただけと言えばそれまでだが、ポジショニングにセンスを感じたことも確かだ。