ガンバ大阪が8試合ぶり勝利。
メンバー刷新は浮上のきっかけになるか

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 J1リーグ第12節、37回目を迎え、令和初となる大阪ダービーは、ガンバ大阪のホームで行なわれた。7試合勝利のないガンバは、前節からメンバーを大幅に入れ替え、若手中心で臨んだ。一方、連勝中のセレッソ大阪は、ケガで今季絶望といわれる都倉賢に代わり高木俊幸を起用した。

 試合の立ち上がり、両チームが決定機を作る。セレッソは前半10分、ロングボールに高木が抜け出し、GKと1対1の場面を作った。一方のガンバも13分、ファン・ウイジョが相手DFのミスからGKと1対1のチャンス。だが、いずれもGKのファインセーブに阻まれた。その後は、お互いに固い守備を崩せないまま、0-0で前半を折り返す。

 後半に入って、先に動いたのはセレッソだった。後半4分、高木に代えてソウザを投入すると、システムを4バックからガンバと同じ3バックに変更。しかし、先制したのはガンバだった。

ガンバ大阪戦で決勝ゴールを決めた倉田秋(ガンバ大阪)ガンバ大阪戦で決勝ゴールを決めた倉田秋(ガンバ大阪) 後半10分、高尾瑠の鋭い縦パスを受けた高江麗央が、右サイドから中央へボールを運び、倉田秋にショートパスを送る。倉田が右足を振り抜くと、これが先制ゴールとなった。

 負けられないセレッソは後半25分、藤田直之に代えて柿谷曜一朗を投入し点を奪いにいく。するとその直後、ガンバは倉田に代えて今野泰幸を入れ、守備の安定を図る。後ろが重くなったガンバを見て、セレッソはさらに後半34分、水沼宏太に代えて田中亜土夢を入れ勝負に出ると、ガンバは後半36分、矢島慎也に代えて遠藤保仁を入れ、逃げ切りを狙った。結局、試合はそのまま1-0で終了、ガンバは8試合ぶりの勝利を挙げ、大阪ダービーを制した。

 この試合、宮本恒靖監督は博打に出たとしか言いようがない。ベテランの遠藤、今野をベンチに置き、ルーキー高尾はリーグ戦初出場。さらに福田湧矢、高江も今季初先発だった。

 宮本監督は昨季、G大阪U-23の監督を務め、7月にトップチームの監督に就任すると、終盤に9連勝を飾り、16位だったチームを9位まで押しあげた。ところが今季は開幕から苦しみ、キャプテンで日本代表でもある三浦弦太を先発から外すなど、試行錯誤を繰り返していた。大阪ダービーの先発メンバーも苦肉の策と言っていいだろう。

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