中村俊輔の言葉に共感。那須大亮は常に「攻め」の決断を下してきた (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by ZUMA Press/AFLO

「その日の練習が終わって、『ああ〜、この気持ちが続いたら、引退が見えてくるのかな』って思うことはあります。でも、時間が経つにつれて『負けたくない』という気持ちが蘇ってくる。過去の自分に対して負けたくないし、今日より明日をより良いものにしたいから、寝て、起きたら、また『やってやる』と思っている自分がいます。

 ただ、自分の中にチャレンジしようと思う気持ちがなくなったら、『引退する』と決めているので、もしも朝、目が覚めてそう思えなくなっていたら、その時は迷わず決断すると思いますけど」

 その瞬間が、いつ、どんなタイミングで訪れるのか、正直、那須自身もわからない。だが、それまでは余計なことは考えず、ただガムシャラに成長を求めて、「もがきながらも、楽しんでサッカーに向き合う」と決めている。

 あの日、いろんなポジションを任される葛藤と戦いながらも、未来を明るくしようとサッカーに向き合えたことが、結果的に、自分の力になり、支えになり、18年のキャリアにつながってきたように。今を精一杯に戦う先には、想像以上に輝く未来があると信じられるから。

(おわり)

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